腹有詩書氣自華

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湯気の立つ茶碗を手に取る。箸をつけた瞬間、ふわりと香る出汁の香り。頬が緩む。
それは、言葉にしないぬくもり。

春の陽を背に受ける。肌に染み込む温もりに目を細め、瞼の裏に広がる橙色の静寂に浸る。
それは、触れずとも沁みる光。

扉を開けると、ふと耳に届く馴染みの旋律。肩の力が抜ける。日々の喧騒から、そっと解放される瞬間。
それは、名前のない安らぎ。

気づかれなくても、そこにあるもの。
触れられなくても、確かにあるもの。

どれも、名を持たぬ「小さな幸せ」。

3/28/2025, 11:00:05 AM