Rost RR

Open App

あのゆめのつづきを

僕にはともだちがいた。
何も知らない僕をふつうに導いてくれた。
良くも悪くもそれにより人との関わりは増えた。
だが、長くは続かなかった
ヒトからの友好関係から上下関係に近しいものに変わっていった。
僕は怖かった。何も知らないことを知っていたから。
ヒトは避け、僕の話をして笑う
だけどそれがふつうだと言い聞かせた
今更何も知らないとこには戻れない
知っていることを止めることは簡単でも、知らなかった時と同じ考えは持つことはできない
それが人それぞれの感性をつくっている。
僕は何を言われても否定をしなかった
何をされても文句を言わなかった
だって何かをしたら今が変わってしまう気がした
僕にとってふつうは真っ黒く塗りつぶされたかのようにわからなくなっていった。
僕が考えることは他の人には理解されないらしい
話をした人は他の人に広めて怖がったり
もう関わってくれない人もいた
その度見てもらえるのように行動をした。
何かするたびにどんどん周りから人が減った
残ったのは僕をともだちではなく
都合のいいモノとして見る連中だった
それでも縋る思いで繋がりを持ち続けていた
だけど、普通を追い求め
誰かに合わせて自分を殺し続けたツケが回ってきた
何をしても何もできなくなった
人前ではなんて事のないように振る舞える
だけど、1人になると何もできなくなる
言い訳という人もいたさ
嘘をつくな。我慢しろ。みんな頑張ってる
そんな言葉を受けるたび周りにはいい顔をしないといけないと気付かされた
誰にも何にも言えなくなった
だけど、僕には友達はもういなかった
だから、誰も僕のことなんて気にしてなかった
親も兄弟も同級生も
仕事に勉強、恋愛に娯楽
楽しく日々を過ごしていた
だけど、僕はそれを見て怖くなっていった
自分を押し殺してまで何でするのかと
人前では何でもできていた
だけど、だんだん綻びが露呈していき
また人が離れていった
どんなけ人が増えてもその人にとってはただの顔を知ってる程度のモノ
僕はだんだん何も考えられなくなった。
寒くなってきて温かいものを飲みながら僕は考えていた。良かったものではなくても夢から醒めない方が
ラクなんだって
あの夢の続きを見れたらどんなに幸せか
僕は人をヒトと見れなくなっていった
だんだん自分の欲求なんて無くなっていった
だって望んでも何にもなれないし何にもできない
今日も一日部屋にいた
誰かと関わるとちょっぴりつかれてしまったから
表に出るためのハードルがどんどん高くなっていく
僕には何のチカラもなかった
ただ何も認めなくなかったんだ
人との思い出はもうない
ただワタシはアシタもまた表に立ち
何事もなかったかのようにエガオを貼り付ける
ただ忘れられないためだけに

1/12/2025, 1:07:13 PM