『My Heart』
昨今、AIとやらの進化が著しい。私たちの生活を瞬く間に変えていった。というのも、そのAIは何か質問や要求を投げ掛ければ、それに応えてくれるらしい。
それは、物書きにおいても例外ではない。
わずかなキーワードを入力するだけで、瞬く間に流麗な文章が画面に紡ぎ出されていく。誤字脱字もなく、構成も整っていて、誰が読んでも「綺麗でよくできた文章」だ。頭の中にある曖昧な感情やアイデアが、いとも簡単に、そしてそれっぽい形で出力される。それはまるで魔法のようで、その圧倒的な便利さに誰もが舌を巻いた。
しかし、その整った文字列をなぞっていても、不思議と胸の奥が熱くなることはなかった。そこには、たった一つの単語を選び取るための迷いや、何度も書き直しては消した痕跡、自分の中の正解を探して足掻くような泥臭さがない。作り手の「体温」のようなものが、すっぽりと抜け落ちているように感じるのだ。
感情の機微すらも計算し尽くし、最適解を提示してくれる世界は、確かに快適で効率的だ。これならもう、白紙を前に頭を抱え、言葉を探して苦悩する必要なんてないのかもしれない。すべてを便利な道具に委ねてしまえば、どれほど楽だろうか。
それでも、私は自分の言葉で書きたい。伝えたい。じゃないと、大事な時に大事な人に、思ったことをちゃんと言葉に出来ないような気がするから。
馬鹿みたいだと言われても、これが私の本心なんだ。
3/28/2026, 3:31:23 AM