駄作製造機

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【平穏な日常】

多分、私はこの変わりない日常に飽きていたのだと思う。

それと同時に、この変わり映えのない日常が好きだった。

友達と遊んで、たくさん喋って。

家族と喧嘩して、仲直りして。

好きな人を見つけて、フラれて。

失って気づくのは、日常がどれだけ大切だったか、どれだけ愛していたか。

でも、好きだった日常は、本当は愛していた家族は、どれだけ願えど戻っては来ない。

空気にさらされればいつかは割れるシャボン玉の様に。

いつかは壊れる運命だったのかもしれない。

私はこの運命に抗う術を持ってない。

神殺しだとか、本当はするつもりはない。

神を殺したいとも思ってない。

だけれど、、

自分の能力を恨んだ事ならある。

これで、この能力のおかげで、どれだけの人の心を不安にさせ、良心を追い詰めたか。

私は私を否定している。

変わることはないだろう。

ーーーー

1952年、イギリスの山岳地帯付近の村。

そこで私は生まれた。

他のところより発展が少し遅いこの村は、まだ魔女狩りの概念が根強く残っていた。

そんな中、私は金髪とブロンドの両親から黒髪黒目で産まれてきてしまったのだ。

親には気持ちが悪いと罵られた。

村のみんなは私を魔女だと決めつけ、私を殺そうとした。

両親は気に病んでしまい、先に森の中で頭を撃ち合って自死した。

妹と私は訳もわからず逃げていた。

迫り来る銃声、怒声。

結果的に妹と私は捕まってしまい、妹は苦しまない様ギロチン刑、私は焼死させようということになった。

家族が死んでしまい、私は生きる気力を失っていた。

家族の最後の言葉は

"お前を産んでしまったから、、"

"お姉ちゃん、私はお姉ちゃんの妹だよ。"

だった。

嗚呼。失って気づくのは、家族の大切さでもあり、私がどれだけ守られ支えられて来たか。

もう誰も、私を知る人はいないだろう。

だって、、

私が殺してしまったから。

気がついたら、目の前は血の海だった。

さよなら。私の平穏な日常。

3/11/2024, 10:28:56 AM