「書けない...」
パソコンを前に自室で頭を抱えていた。
俺は趣味で小説を書いている。誰かに見て貰おうとかで始めたわけではない。ただの自己満足だった。
しかしある時、この話を誰かに見てほしい。読んで感想が欲しいと思うようになっていた。
そこで俺は、一日一つお題が出るアプリを使って話を投稿し、読んで貰おうと思っていた。
最初は順調だった。毎日、一つ話を書いて満足していた。
しかしそれも最初の内だけだった。それだけでは満足がいかず、もっと読みたいを求めるようになった。
あ、増えてる。もっと増えてる!と。
だが、最近は伸びも悪く、良い話を書けている気がしなかった。
「もっと面白い話にしないと......あれ、こっちの方が反応良いからこういう話の方がいいのかな...」
数字ばかり気にして、純粋に書きたいという気持ちを失いつつあったのだ。
(...駄目だ。これじゃ可笑しい)
俺はどんどん自分を追い込んだ。
(もっと、もっと面白い、良い話を)
だから、
「もう、駄目だ」
一人になったのだ。
「...ん」
そして目を覚ますと、俺は列車の中にいたのだった。
お題 「だから、一人でいたい。」
8/1/2024, 9:11:58 AM