部屋の片隅で
私が小さなとき、両親はケンカばかりしていて、それも母はガーガー言うし父は殴る蹴るモノを投げるという凄まじいケンカだった。
小学生低学年の頃、母が私に言った。
「あんたって、かわいくない子だねぇ。普通、親がケンカしてたら、『お母さんを叩かないで』って、母親を庇うもんじゃないの?それなのにあんたは、じーっと黙って見てて!」
確かに、私はそういう子だった。母は言いすぎるし、暴力を振るう父は言語道断。でも、今回の場合は母が悪いな。とか、父がわけも聞かずに殴ったな。とか、思いながら見ていた。 昔の古い日本家屋で、居間は非常に狭く、両親がガタガタやっている部屋の片隅で、冷静に状況を分析していた。
子ども心に、なんで2人ともあーなんだろうと、呆れていた部分もあった。母の暴言、父の暴力は、私にも例外無く向けられていたから、そういう人たちだから仕方ない、と受け止めていた。
今だったら2人ともDVで逮捕されるレベルだが、古き良き、いや古き悪き時代のことだった。
12/8/2024, 8:04:48 AM