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お題:言葉はいらない、ただ・・・

 言葉はなんていらない、ただ・・・少しだけ私の話に耳を傾けてね。貴方に幸せになってほしいとそう伝えれたら良かったけど無理そう、当然よね貴方に酷いことを言ったし、最低な別れ方をして貴方を捨てたようものだったもの。
でもねやっぱり貴方からの愛の言葉は欲しかったわ。
酷い女で本当にごめんなさいね。
もう会うこともないけど、ずっと貴方の幸せを祈るわ
 さよなら愛しい人。

 元恋人が亡くなった病気だったらしい、余命宣告されていたのを亡くなった後に聞いた。
 結婚も考えていたが、彼女に好きな人ができたからと別れて欲しいと言われ別れた。
実際は病気で苦しむ姿を見られたくないという理由だった、彼女の家に線香を上げに行ったとき、彼女の御両親から彼女がつけていた日記を渡された。
 自分との嬉しかった思い出や喧嘩した思い出、そして病気を患ったことが書かれていた。
 彼女は亡くなる直前まで書いてたようだ、病気が悪化するに連れて綺麗だった文字が、子どもの書く字のようになって最後には、ミミズが這うような文字だった。
最後まで彼女らしかった。
 
 本当は、怖がりで見栄っ張りで凄く尽くしてくれた。
本当は別れたくなかった、あの時別れなかったらと考えなかった日はない。

「言葉はいらない、ただ・・・お前を幸せにしたかった」

 
 

8/29/2023, 1:22:59 PM