白夜

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君との出会いは、ガーベラだった
君のつけているその香水に僕は、恋に落ちてしまったんだ
僕が君に何度話しかけても君は、見向きもしなかった…分かっていた君が僕なんかを好きになることなんて無いことは……
それでも僕は、君に話し続けた
あの日も君に話しかけた、すると君は笑った
僕は驚いた…けど、君の笑った顔を見てまた恋に落ちた
(やっぱり僕には、この子のしか居ない)と思った、あの日以来君から僕に話しかけてくれるようになった
そして僕が君に恋をした日から2年の年月がたった頃僕は君に告白をした
君からの返事は、「はい!」と目から涙を流したながらそう答えてくれた、思わず君を強く抱きしめた
その次の日から、君は香水を変えたそれはジャスミンの香りだった
なぜ香水を変えたのかは、分からないが君がつける香水は全て君を引き立てるための傍役に過ぎない
ある日突然君が「ねぇ、海に行かない?」と言ってきた「夕陽に浴びる海が見たくなっちゃった」と言った君は少し寂しそうだった
僕はまた笑った君の顔を見たかった、だから海に行くことにした
「ねえ!見てみて、海がオレンジに輝いてる」と笑顔で僕を見た「そうだね、また夕陽に染まる海見に行こ」と微笑みかけると君は「うん、約束」と微笑み返してくれた―――のに、あの日以降君が僕に微笑んでくれることも、笑顔を見せてくれることも減り、そして君は体調を崩すようになり日に日に衰弱していった
君の看病をし続けて、1ヶ月が過ぎた頃君を起こしに君の部屋に行くと冷たくなった君を見つけた
僕はまだ間に合うと思った、救急車を呼び病院に着いて先生が「残念ですが…息を引き取っています、多分ですが家で寝ている時にはもう……」と言われた
(僕には、君しかいなかったのにどうして―)
立ち直ることが出来ないまま君のお葬式が開かれ、お葬式が終わると僕はあの家に帰り君の部屋に向かった、そして君の机の上に何かのっているのを見つけた、それは君からの最初で最後の手紙だった
手紙にはこう書いてあった



私の運命の人へ
ごめんね…○○くんとずっと居たかった…けど…もう無理そう
私ね、本当は○○くんが話してくれる前から○○くんの事知ってたんだ、それでね○○くんがガーベラの香水をつけてるの知った日から私もガーベラの香水をつけるようになったの、そしたら○○くんが話してくれるようになって、あの日の事○○くんは『運命の出会いだった』って言ってたけど、本当は私が仕組んだ出会いだったの、ほんとの事言わなくてごめんね
これは私の勘だけど、1つだけ疑問に思ってることがあると思うんだけど、どうして香水をジャスミンに変えたのかっていうとジャスミンの花言葉が【あなたと一緒】だったからなの
でもね本当はもう1つ香水買ってて、それを使う前に私の――癌が転移が見つかったの、私小さい時に癌があったんだけど、手術をして取り除くことが出来たんだけど転移してることが最近分かったのそれで最後の日ぐらいはあの家で過ごしたかった
だから一緒に居れなくてごめん、一緒に夕陽の海見れなくてごめんね
最後に1つだけ、私からのプレゼント、私の引き出しの上から2番目に2つプレゼント入れてるから私と○○くんを出会わせてくれたあの香りとこれから築いていく為の香り
受け取って欲しいの、その香りの意味が分かるようになるまで
と書いてあった、君の言っていた引き出しを開けると、そこにはあのガーベラとローズの香水が入っていた
僕は君がつけるはずだったローズの香水つけている
前はそのローズの意味が分からなかった…でも今は分かる君がローズに込められたその言葉が…




あなたは分かりますか、そのローズに込められた言葉を――

8/31/2024, 2:32:42 AM