「今。私と少しだけ、“踊りませんか?”」
口を突いて出そうな言葉だった。
先生が私の部活に顔を出してくれたある日「〇〇さんのお点前も見せてくださいよ」と頼まれたのだ。大好きな彼から話しかけられただけでも嬉しいのに、私のお点前を見て下さるようだ。お点前を見るということは、私のお茶を飲むということなのだけれど、私も先生のお茶を頂戴したいと思い、「今。私と少しだけ、お茶を点ててみませんか?。」という言葉が口を突いて出た。
頭が沸いていると思われるかもしれないけれど、先生の煌びやかな、しかし淡々としていて怪しげな言葉たちがふやふや宙を待っているように思えて、先生の素敵な言葉と私の言葉とで、是非、「今。私と少しだけ、“踊りませんか?”」と口を突いて出そうになった。わたしはきっと、2人だけの空間で踊るる夢を、見ずにはいられなかったのだ。
10/4/2024, 11:48:33 AM