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冬が来てから丁度半年が経った。
冬が来て、寒さも何も感じなくなってから春にしようと何人かが花の種を持ってきてくれた。
直ぐに断れた人もいたけれどなかなか断れない人もいた。どれだけ大丈夫だよと言っても何度も気にかけてくれて、気にしてくれる人がいた。
きっとこの人と一緒に花を咲かせられたら幸せになるんだろうなと思った。また春が来て夏が来て、夏祭りには河川敷で2人並んでりんご飴食べるところまで想像したがどうしても一緒に花を咲かせられなかった。
何度も咲かせようとした、土に種を植えた。けれど実らなかった。双葉が芽生えてもすぐに涸れてしまった。

少しその人から離れて、昔花を植えて育てた場所へ向かった。今までその場所に行く時は必ず隣で微笑んで泣き虫な人がいたけれどいなかった。代わりに1人で色んなところを廻った。気がつくと涙が止まらなくなっていて何度車をコンビニの駐車場に止めたか分からない、心配してアイスを一緒に食べようと誘ってくれる人もいた。
けれど花が涸れてしまってからぽっかりと空いた穴は埋まる気配が無かった。
いや、ないと思っていた。

もう遠距離恋愛はしたくない
近距離が良かった。
なんなら恋愛自体を諦めていたのかもしれない
恋心がどういうものなのか分からなくなった。
小説は恋とはなにか、迷走しても必ず見つけ出す主人公達がいて、羨ましくて没頭した。色んな小説を読み漁った。

5/2/2023, 1:12:02 PM