暖房で温もった病室。窓の外ではしんしんと雪が降っている。初雪だったのもあって見惚れていると「愛してる」と苦しみながら発する声が聞こえてきた。僕は神に願うかのように強く手を握った。彼女は「大丈夫だよ」と言わんばかりの笑顔で目を閉じた。冷静さを取り戻した時、手の中にあるものに気づいた。「来年の''冬は一緒に''イルミネーションを見よう」震えた字でそう書かれてあった。冷たい手を握っていた僕もそのまま目を瞑り走馬灯のような長い夢を見た。
12/18/2023, 7:54:05 PM