おばけ

Open App

「それはね、秘密の標本」
「秘密の標本?」
「うん」

いつも気になっていて何となく聞かずにいた机の上の箱。
中身を聞いてみるも、返ってきた答えに謎は深まる。

「隠してないのに秘密ってなんで?」
「えぇ?うーん…秘密のノートとかさぁ、中身が秘密なだけで普通に出したりするじゃん?そんな感じ」
「どんな感じだよ」
「こう…忘れた頃に中身みるとさ、うわーっ!ってなるから分かりやすい所に置いてんの」
「ふーん…」

「…中、見てみる?」
「いいの?」
「後悔しないなら」

秘密の標本と言われて、気にならない訳がない。
何が入ってるのかもう一度聞くが、相手は言葉を濁すばかりで本当に後悔しないでね?と念押しをしてくる。
標本、と言えば昆虫か宝石のイメージがあるが、そんなに濁すのなら虫だろうか?秘密と言う言葉に想像が掻き立てられながらそっと箱を開けてみると、

「……にんげんの、歯?」
「うん」
「え、なにこれコッッッワ!!」

予想してなかった、綺麗に並べられた人間の歯にぞわわと鳥肌が立つ。

「…両親がね、初めての子供で何でも記録したがりでね…これ、小さい頃の乳歯の標本なんだ」
「いや怖すぎる。お前の両親変わってるよ!てかこんなの机に置いとくなよ怖いわ!」
「さっき言ったじゃん。これなんだっけ?って忘れた頃に中見ると驚くから。だから、秘密の標本」
「お前の感性も変わってるわ!」

さっきまでのワクワク返せよ!ちくしょう!

11/2/2025, 4:45:58 PM