喜村

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 元気で明るくて、それでもって周りを熱く盛り上げるようなそんな存在。それがノドカのパパであり、私の旦那。
 よくいう、太陽のような存在だった。

 太陽はいきなり雲に覆われ、見えなくなってしまった。
 それまでその温かさになれてしまい、太陽がいないとこんなにも寒いものなのかと思い知らされた。
寒くなると心細くなり、自暴自棄になってしまう。梅雨時期の憂鬱に似ている。
やはり彼は、私の太陽だったのだ。

「ママ~?」
 ノドカが不思議そうに声をかける。
私は一人でこの幼子を果たして育てられるのかも不安である。
「なーに?」
「にこにこ!」
 ノドカは無邪気に笑ってみせる。
私の不安を察したのか、笑顔をふりまいてくれる。
あぁ、私には太陽がもう一つあったようだ。

 旦那は雲に陰ったのではなく、海に沈んでしまったようだ。もうその日の出を拝むことはない。
 でも新たに、ノドカという太陽のような存在が上ってきた。この太陽は手におえないくらいの暴風雨の時もあるけれど、ね。



【太陽のような】
※【勿忘草】の続き

2/22/2023, 10:53:30 AM