最後だと思ったら、未練が残る。シーソーしかない小さな公園、毎日きつい傾斜を自転車で登ったこと、年季が入った校舎で過ごした時間たち。手を伸ばしても届かなかったインターホンに少しずつ頭が近づいて行って、ついにはそれを超えるくらいに大きくなった。私はこの場所で夢を育て、いつか世界に私の手が届くことを信じて疑わなかった。この場所が、小さな私の大きな世界だった。
12/10/2023, 6:47:01 PM