最後に聞こえた叫び声は
「雌ぎつねめ!」だった
弟とその彼女の立て籠もる部屋に
母が放った数々の暴言の中でも
笑ってしまうほど
身勝手な解釈だと思った
何故なら弟も同罪だからだ
弟が高校に入って堕落するのは
予想通り早かった
母子家庭で福祉の仕事をしていた母は
わたしと弟を養うために
夜も働いていた
夜勤の日に
弟は女の子をよく連れ込んでいた
わたしはヘッドホンをして
パソコンの中に逃げ込んでいた
ある日夜勤の日程がずれたのか
早く帰ってきた母が
弟と彼女のしてきたことを知った
激怒し怒号を吐いた
主に彼女に対して吐いていた
お門違いだよお母さん
あなたの息子はろくでなしだよ
認めなよ
お母さんは都合のいいことはすぐ忘れる人で
20数年経った今では
弟と仲良くやっている
呆れるほど
わたしにはついていけない
6/26/2025, 10:31:46 AM