宮平和実

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「夢が醒める前に」

 ああ。これは夢だ。夢だと分かってしまった。
だって、私の隣にはもういない君が私の隣にいる。
君は、ニコニコと笑って私の話を聞いている。
ああ。夢が醒める前に君に、伝えないと。
「あのさ、私、君の事が大好きだよ。この間はごめんなさい」
「僕も大好きだよ。いいよ。僕も悪かったから」
彼の言葉を聞いた私は涙を流していた。
 夢の中で彼に伝えた事は現実で彼に言わなかった言葉だった。私は言わなかった事を後悔していた。
 目覚ましの音がする。嫌だな。もう少し夢の中にいたい。そして私は起床した。

3/20/2024, 10:26:47 AM