「見ろ!あいつ、あいつ人間の腕に乗っかっちゃったよ!」
「ほんとだ!あの人間の出す音に引き寄せられたんだ!」
人間は困惑した後次第に笑顔になり、ひとしきり曲を奏でた後に鳥に何かを話しかけ、優しくそっと離すと、どこかへ行ってしまった
人間に近付いたその鳥は語った
「決めた、俺はこのままあの人間について行ってみるよ、あんな美しい音に包まれて生きられるなら本望だ」
「あれからあの鳥どうなった?」
「知るもんか、きっと食われたに違いない」
「いいやきっと宣言通り望んだ生き方をしているのだろう」
「でも人間と一体どんな生活をしているのかな?」
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[渡り鳥達の道中の談話を弾ませるのは専ら人間世界のネタだろうね、彼らにとっては人間達が読むファンタジーのようなものだろう]
目の前の人間はそう俺に話しかけた
(ああ、あの時のように音を奏でてなくともその声が心地良い…)
5/29/2025, 11:44:08 PM