わをん

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『君の目を見つめると』

遠い昔に戦場で拾った幼子は今や私の右腕となり命令あらば躊躇いなく人を斬るようになった。
「息子よ」
「はい、父上」
親子と言うには歳の離れた間柄ではあるが私を父と呼ぶ青年は慕うでもなく厭うでもなく無感情に私を見つめる。そう育てたのは私自身だ。過酷な経験を積ませ、知る限りの知識と技術を授けた。そのせいで私と同じような目をしている。赤の他人であるのに私によく似させてしまった。
「不憫なやつよの」
息子はわずかな戸惑いを見せる。私の言ったことを理解できないようだった。

4/7/2024, 1:48:23 AM