シャノン

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【風邪】


「おい、大丈夫か?」
『うん。ただの風邪だから平気だよ、これくらい。』
「本当かよ。ほら、ここ座っとけ。」
『ごめん、ありがとう。』
「辛くなったら、ちゃんと言えよ。」
『うん…。』

(前にも、似たようなことあったな…。)


―――

「どうした、具合でも悪いのか?」
『…はい。』
「頑張るのはいいが、無理はするな。」
『はい…。すみません…。』
「辛けいなら、今日は帰るか?」
『いえ、少しだけ休めれば大丈夫です。』
「そうか?…辛くなったら、ちゃんと言うんだぞ。」
『はい…。』

―――


先輩との会話を思い出し、立ち上がる。
少しだけ立ち眩みはしたけど、少しだけ楽になった気がする。

「…大丈夫、なのか?」
『うん。お陰様で。』
「そうか。無理はするなよ。」
『ありがと。』

(やっぱり、先輩に似てる)

「なんだよ。」
『いや?なんかさ、先輩に似てるなって思って。』
「はぁ?俺が?」
『そう。何となくてだけどさ。だから、詳細は聞かないでね。』
「なんだそれ。そんな冗談が言えるくらいには元気なようだな。」
『冗談のつもりはないけどね。』
「…そういや、去年もこんなことあったよな。
お前がただの風邪だって言い張って、
結局熱出して『昔の話はいいの!』昔って、お前なぁ。」

呆れながらも、笑いかけてくれる。
先輩もそうだったけど、彼らのこういう、
何とも言えない"温かさ"が好きだったりする。
体調が悪いとなおのこと。
だから今日は、その"温もり"に甘えてしまう。

12/16/2024, 1:23:22 PM