椎名千紗穂

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善と悪とは、そもいかなるものなのか。一般論なのか、はたまた個人の主観による解釈なのか。
自己に益をもたらすものであれば善足り得るのか?
自己に害を与えるものなら悪足り得るのか?

否、それは善悪問答に過ぎない。単なる堂々巡りの思考実験に過ぎない。

犯罪者がいるなら、犯罪者になるものはそもそも生まれてこなければいいと考える。世界に革新的な、全体的有益な偉業を成すものが存在するなら彼らが産まれてくるのを待たなくてはならない。

ならば、その中間にあるものはなんだ。それらは善でもなければ悪でもないのか? 真ん中にあるそれは、毒にも薬にもならない無益なものなのか?


人は、考える。そんなものが、無駄であるととうの昔に知りえながらも。我らが古き記憶が知性を獲得し霊長と呼ばれるようになったはるか昔から。奪い、殺し合い。時に慈しみ、種を超えてなお愛を育む奇跡を知っていながら今なお思考し続ける。

4/27/2024, 1:32:06 AM