「お母さん!今日、ドッチボールの試合で勝ったんだよ。すごいでしょ!」
「まぁ!〇〇は運動得意だものね。お母さん〇〇の将来が楽しみだわ〜」
そんなありふれた会話が、風に揺られて私の耳を掠る。その音色は、至って何処にでもありふれる声であり私にとっては特別だと感じることはない。
けれど、確かに私はその時不思議と笑みをこぼしてしまった。それはきっと、かつての思い出とこのありふれている出来事が重なり合う瞬間だったと言えるだろう。
もし、私が天から彼らを見て言葉を発せられたなら平和だと溜息混じりに言ってみたいものだ。
愛は薄れない、その記憶は刻まれている。
お終い
3/10/2024, 4:12:59 PM