宵風に吹かれたい

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8月31日、午後5時
何分かまでは覚えてないけど、君が俺の前で死んだ。
__8月31日午後5時!バイバイ!
そんな陽気な声で地面に飛び込んだ。
途端、下からグシャっという肉の弾ける音が聞こえる。あまりの衝撃に動けなかった。いきなり呼び出されて、屋上に来た途端に君は消えた。
止める隙さえなかった。

なぜ俺なのか。それすら分からずに8月31日、午後5時元気に死んでいった。
その場には一枚の紙だけが残されていた。
そこには君からのメッセージが書かれている。

「これで、君は私のことを
    夏の終わりに必ず思い出してくれるよね?」

その一言だけだった。
あぁ、その通りだよ。この性悪女が。

8/31/2025, 11:58:41 AM