所詮世界なんてこんなもの、とそう思っていた。
自分たちの常識を、普通を、大多数にするために、少数を異端として迫害する。
嗚呼、けれど
ー虹彩異色症が呪いだと?はっ、寝言は寝て言え。お前たちはいつの時代の話をしているんだ。
ただの先天的遺伝性疾患が呪いなものか。馬鹿めー
そうやって、私に植え付けられていた常識もどきを焼き払った鮮やかな蒼を見た時、きっと私は生涯初めて、本気の恋をした。
「ドクター、あなたが好きです」
本人を前に言えない気持ちはまだ、胸に秘めていよう。
いつか、あなたに笑って言えるように。
9/13/2024, 5:25:00 AM