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今日の天気は、どんよりとした曇り空。

「これが噂のメランコリックな空、ってやつね。
メランコリックって言葉の響きは可愛いのに、
物憂げという意味は全然可愛くないっ」

空は心を映す鏡と誰かが言っていたけれど、
晴天でも快晴でもない曇り空が私の目には映っている。

1週間前、彼氏と大ゲンカをした。
お互いが社会人1年目、覚えなきゃいけないことが山積み同士。
仕事はもちろんのこと、最低限のビジネスマナーに、忖度のさじ加減という、何だかよくわからない難題にも追われ、全く心に余裕がない。
あまりの忙しさに、彼氏と次に会う約束はリスケ続き、連絡することさえも次第に少なくなっていた。

無理をしてようやく会えた日。
せっかく会えたのに、頑張っているのは同じなのに、
どこかで掛け違えたままの気持ちは軋轢を大きくしただけだった。

「キライになったわけじゃないんだけどなあ」

今は、晴天でも快晴でもなく、
どしゃ降りでも雷雨でもない。
少しだけ雲が厚い、きっとそんな曇り空。
あの雲を取り払えば、その下には晴れ渡る青空が広がっているはず。

もしも、私の気持ちに寄り添ってくれるのなら、
まだ一緒にいられる。
何を見ても、何をしていても、
キラキラと輝いていたあの頃の想いは残っているから。
だけど……
今の私は、どうしたいのだろう。

目の前の空に手を伸ばし、その手をすっーと右に動かしてみる。
どんよりと曇った、物憂げな空のままだ。

「物憂げってやっぱり可愛くない」

私はスマホを取り出し、彼に電話をかけ始めた。

【物憂げな空】

2/26/2026, 6:06:09 AM