突然、世界中の糸が見えるようになった。といっても、糸というのは存外種類が多いらしい。
色でいえば赤、白、紫、金、緑、青、黄、黒、が主だった。でも俺には白の糸しか無かった。
なので、気になって俺についている白い糸を手繰っていくと、大嫌いなやつがいた。
なんで、この糸があいつと繋がっているのか分からなくて調べてみると、性別を超越した清潔な関係と出てきた。
まあ、確かに何もしていない清い関係ではあるけれど!そういうことじゃなくない!?
と、一人で問答していると、あいつが話しかけてきた。
「今日も今日とてお前は妄想か?そんなことしてる暇あったら課題くらいしろ。」
「あ゛あ!?」
あいつの神経を逆撫でする言葉がなければ好きになってたかもしれない。でも、性格がなぁ。
などと、思っている俺ではあるが、糸の両端がじわじわと赤く染まっていっているのは、まだ気づいていない。
題:赤い糸
6/30/2023, 10:52:17 AM