「君と出会う前に、どうやって酸素を吸ってたか忘れたんだ」
「僕もだ」
二人ぼっちの僕らは、お互いがいないと呼吸すらもままならないんだ、きっと。
ずっと一緒にいるなんて、そんなの当たり前すぎて二人とも言わない。
僕は君が旅立ったすぐ後に、同じ場所へ飛び立つ。
君もそうだろ?
煌めく銀河の果て、星々を抜けて、なんにもないその先まで、僕らは飛んで行くんだ。
「さっさとしろ、置いて行くぞ」
僕は目を細めた。
乱暴な口調のわりに、いつだって君は遅い僕を待っていてくれる。
重い荷物を下ろした僕らはどこまでも自由だった。
3/21/2024, 11:10:44 AM