「ひとり」って楽だよな。
不便な時も多少はあるが、誰かに気を使わなくていいのはたしかに楽だ。
人と関わるとろくな事にならない。
どうせは別れることになるのだから、最初から近ずかなければいい。
僕は今日も呪いのように、同じことを考える。
どろどろと、黒いインクの入った瓶が逆さまになって、周りを染めていくように、人は、共感の多い方へ集まっていく。
僕はそれを見るのが嫌いだ。
自分を押し殺して、それに染まっていく人間が、見るに耐えないのだ。
だから僕は、今日も夜中に街へ出る。
いつものようにイアホンを付けて、ひとり余韻に浸りながら歩く。
一人でいたら染まらなくて済むから。
どろどろと、周りに汚染されてく人間に、僕はなりたくない。
周りと距離を置くために、人を避ける為に、僕は手首を傷つけそれを見せつけて歩く。
いつも通りに無言で定員に "それ" を渡して、胃に無理やり流し込んだ
ふらふらと街を歩き、
気づいた頃には遅かった。
何だか空っぽなんだ。
"さみしい"
そんな言葉がピッタリで、
ぼくはもう、「独り」に染まってたらしい。
こんなことをして、ひとりで生きて、何になるんだろうか。
今日限りでさいごにしよう。
染まるのは、あと今日だけ。
青く染まった心。
それとは対比して、
赤くなる身体
僕はたったひとりで、
赤黒く染っていった。
7/31/2024, 6:39:14 PM