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「甘っ…」
壁に滴る、よくわからない甘い液体。
どうしてなのかは知らないが、それが無性に気になってしまって、それを指にとって舐めた。
とにかく甘かった。ガムシロップなんかよりも、甘い。
アブナイ液体かもしれないのに、それを舐めた俺は馬鹿なのかと思う。でも、仕方なかった。いつのまにか舐めていたんだから。
「…んー、どうする?」
そもそもこの空間はなんなんだ?
俺は、自分のベットで寝ていたはずなのだが。
起きたらここにいて、そしたら壁から液体が垂れてきて。
尚更意味がわからない。

「お腹すいた」
寝る前には夜ご飯をたっぷりと食べたはずなのだが、お腹がすいてたまらない。
抑えきれなくて、また液体を舐めた。

少し時間が経った頃だろうか、あれから結局液体を腹一杯まで舐めた。液体なので、固形物とはさすがに満たされる差はあるけれど、初めよりは楽になった。
「…なんか、頭おかし」
舐め始めてから、頭がおかしいのだ。
ふわふわとするような感覚。
上手く言えないけれど、飛べるような、そんな感じ。
…眠たくなってきてしまった。
こんな、どこかわからないところで寝るだなんて。
「…ん」
まあ、その時はその時だろう。
おやすみ。

5/2/2025, 10:18:37 PM