récit

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むかしむかしのこと、好奇心旺盛な男が、茨の森の奥深くへと足を踏み入れていったんだ。やがてたどり着いたのは、時を忘れたような美しい古城だった。お城の地下に行ってみると、金色の髪のお姫さまがスヤスヤと眠っていたのさ。
その傍には糸車が転がっていた。糸車にはお姫さまの指から流れた血で赤く染められた糸が絡まっていた。

男はその赤い糸に手を伸ばし、そっと引っ張ってみた。すると、糸で繋がり静止していた時間が100年分引き寄せられて時は動き出し、お姫さまは目を覚ましたんだよ。
この時、運命の赤い糸に導かれたみたいに、お姫さまと男は互いに強く惹かれ合ったんだね。

その後ついに、二人は結婚し、幸せな日々を送ったんだって。お花畑で夢みるようにさ。

「時を繋ぐ糸」

11/27/2025, 12:07:09 AM