雫が落ちる音がする。洞窟の中を案内人が先導する。足元を踏み間違えないようにそろそろと進もうとするたびに地面の硬さとデコボコの地形を靴を通して足に感じる。また雫が落ちる反響するように共鳴するように。青紫の光を感じながら歩む。暑いからと涼みに行こうと言い出したのは自分だけれど、洞窟に誘われたのは予想外だった。薄暗い中、ひんやりとした空間と水気を含んだ土の匂いはずいぶん別の世界のようだ。そんなことを考えていたら足先を飛び出た岩場で強打した。痛みで血の気が引く気がしてますます涼しいむしろ寒い。
4/21/2024, 11:16:40 AM