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何でもないフリ

昔から言葉にするのが苦手で
辛いことも、苦しいことも、全部溜め込んで
気付いたら君の腕の中で泣いていて
優しく、包むように背中を撫でて落ち着かせてくれて
「…溜めるのも、悪いことじゃないよ、
言葉にするのが苦手な人だっているから。
…でも、俺にだけは話して?絶対れんの力になるから。」
そういって、いつも僕に力をくれる
今日だって、朝から体調が悪くて
いいこともなくて、ずっと落ち込んでて
でも、それを隠すのに必死で
何でもないフリして、かいに八つ当たりもして
いつも、見捨てないでくれてるのに
あんなこといったらもう離れていっちゃうんやないかって
自分のせいなのに、苦しくて。
部屋に籠って一人泣いた。
次の日は、本当は学校に行きたくなった。
でも、きっと行かないと変に思われるから
無理して、学校に行った。
1時間目から体育で、
でも来たからやるしかないなって思って
きつかったけど頑張って、でも、
「……もう、むり、」
視界が反転して、床が見えた
あぁ、倒れるんやな
そう思っても体は思うように動かない。
でも、僕の体は優しく包み込まれた
「…すみません。体調悪そうなので保健室連れてきます。」
……はぁ、また、迷惑かけてもうた
ずっと無言で、もう嫌われたんかなって思うと
辛くて、そっと腕の中で目を閉じた。

目を開けると、白い天井。
右手にある温もりは、
かいの手だった。
「…あ、起きた?体調はどう?
ただの疲労と寝不足かな、ゆっくり休んでね。
…そういえば、この子ずっと待ってたから、
お礼言ってあげてね?」
そういって、先生は仕事に戻った。
「…かい、ありがとお、」
「……ん、れんっ、?心配したんだからね、?」
「ごめん、ほんまに迷惑かけてばっかで…
何もないから、ただの疲労やし。」
「……れんの嘘ばっか、
そんなに、俺って頼りない?何でもないって、そんなことあるわけないっ、れんの、溜め込んでることも、一緒に背負いたいくらいに、俺はれんのこと守ってあげたいし、ずっと一緒にいたいくらい好きなの。俺じゃ、だめ、?」
そう、泣きながらかいは僕に言った。
やっぱ、叶わんなぁ、
かいに言えば、きっとこんなの、すぐ治るのになぁ、
ほんまあほやな、俺。好きな人にもこんな態度で、
だめやん、
「…ううん、かいはすごい頼れる…俺の、好きな人やよ、
素直になれんくて、ごめん。迷惑、かけるかなって、
それに、好きな人の前ではえがおでいたかったんよ、ごめんな」
こんな、俺のことなんて、好きになるはずない、
あぁ、これからこうやって悩みを話すのも今日で最後かな
「…れんっ、俺も、れんがすきだよ、
れんの苦しいのも、辛いのも、二人で一緒に乗り越えよう、?俺と、付き合って?」
そんなの、最初から決まってる。
「…うん、よろしくね、かい
だいすき、この世界で一番。」
これから迷惑かけると思うけど
ひまわりみたいなそのえがおで
俺の心も解かしてや
何でもないフリは、もうやめた。

12/11/2023, 10:20:45 AM