Theme:星座
「あそこに見えるのがくじら座。そっちに見えるのがアンドロメダ座。それで、あれが魚座だよ」
秋の澄んだ夜空の下、私たちは星を見上げていた。
星が大好きな彼は、空を指差しながら説明してくれる。
熱心に説明してくれる彼には申し訳ないが、指差す先を見ても私にはただ光が無秩序に散らばっているようにしか見えない。
「アンドロメダにはこんな話があってね……」
彼の話は止まらない。熱く語る瞳は、星のようにキラキラと輝いている。
無秩序な光の群れから物語を紡げるなんて、星々を紐付けて物語を造った人はきっと彼のようにロマンチストだったんだろう。
彼は私の論理的なところをすごいと言うけれど、私は彼の豊かな感受性が羨ましい。
二人一緒なら、きっとお互いのいいところを引き出し合えるだろう。
そういえば、魚座は2匹の魚がリボンで繋がっている姿だって彼が言ってたっけ。
そんな風に私たちもずっと一緒にいられたらいいな。
柄にもなく、そんなことを思った。
10/5/2023, 11:47:58 AM