休日の昼間の街に溢れかえる若い女性達。
すれ違うたび、いい匂いがする。
女性の匂いを堪能するのもいいが、俺は酸素になりたい。
そうすれば、女性の鼻と口から体内に入り、じっくり体内を冒険してから、女性の二酸化炭素となって外へ出れる。
想像するだけて頬が緩み、今にもよだれが出そうだ。
「ママー、あの人一人でわらってるよー」
「しっ!変な人に指ささないの!」
幼女と人妻にボロクソ言われているが、対象外なのでなに言われてもノーダメージ。
「……」
黒髪ロングの清楚な女性に、変な目で見られている。
ゾクゾクして、なにかに目覚めそうだ。
世の女性から冷たい目で見られても、俺は生きている。同じ空気を吸って!
「すぅーーー!」
「なんかこっち向いて息吸ってる!?」
「やだ!キモい!」
罵声を浴びながら、俺は思いっきり女性達の匂い付きの空気を吸ってやった。
この後、不審者として警察官から職質を受けたのは言うまでもない。
……やっぱり俺は、人目につかない酸素になりたい。
5/14/2025, 11:13:10 PM