喫猫愛好家

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平穏な日常が懐かしくて恋しくて、目を閉じ唇を噛み締める。
私は今、闘いの最中にいる。戦場と化したキッチンは、ヤツの気配を漂わせている。なぜ、どこから、いつ間違ってしまったのか。そんな疑問も耳に響く鼓動と緊張感の中に溶け、私の呼吸は荒くなった。リビングで寝ている愛猫は使い物にならない。私は古い雑誌を頭の上に掲げて、ヤツが姿を見せるのをじっと待つ。暴力なんか振るいたくないのに、命なんか奪いたくないのに。これも全部お前が悪いんだよ。感情を殺した冷徹な視線を黒光りするヤツに送り、スパンキー。ついでに地獄に送った。
ひとまずの平穏は取り戻した。安堵の息をつき、乱れた髪を戻した。

3/11/2024, 1:58:20 PM