踊るように彼女はナタを振り回す。
正に「踊るように」だった。扉の隙間から姿を確認したが、あれは人間ではない。快楽殺人鬼。化け物。人の命を奪う事に躊躇が無い。
狂気じみた笑い声としなやかな動き。一見美しくも見える殺戮舞踊。あんなに愉しそうに何百人も殺したのか。やっぱり駆除対象である事は間違いない。幸い、彼女は密室にいる。姿を見られまいと窓の無い部屋に入ったのが唯一の救いだ。だが…
彼女は舞う。それでいて出鱈目。見切る事も出来なさそうだ。当たり前だ、手当たり次第に殺めているのだから。予知能力でも無い限り、いやあったとしても、彼女の手から逃れる事は不可能だろう。
そんな事を考えていたら、もう彼女は一人きりで踊り続けていた。俺達以外はもうほとんど殺されてしまった。なら、いっその事あたって文字通り砕けてくる方が幸せだろうか?
「ねぇねぇ、さっさと来なよ〜。わたし、退屈なの。貴方達みたいに強い人達が来てくれたから準備運動してたのに、全然わたしと戦いに来ないからこっちから来ちゃったよ?」
甘ったるい声。後ろに彼女がい
「じゃあね〜」
9/8/2024, 8:35:21 AM