#記憶の海
あおい空を見上げながら、永遠に広がる水面の上を歩くと、美しい波紋が広がる。
美しい空には、映画フィルムが長々とつながっている。
「なにあれ……私と……」
水面の下には、ピアノや本、ぬいぐるみが沈んでいる。
「なんだろう、ここ」
知らないはずなのに、どこか、懐かしい……
知らぬ間に、一筋の光が頬を伝う。溢れて、溢れて、止まらない。なぜこんなにも、悲しいんだろう。胸が詰まるんだろう。
「──あ、起きましたか?点滴、打ちますね」
目に映るのは、白い天井と、優しそうな女の人。
ここは、どこ?私、さっきまで……、……どこにいたんだっけ……?なにを、していたんだっけ……?
5/13/2025, 11:19:24 AM