るね

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【眠れないほど】


 暖房なしでは眠れないほどの寒さも、君とくっつく口実になる。上着を脱いで横になれば、私の枕を踏んで擦り寄ってくる君。
「にゃああん」
 布団に入れろと催促してくるキジトラ模様の毛玉様。少し捲ってやれば、どういうわけか、私の二の腕に顎を乗せる。それ、腕枕っていうんだけど知ってるの?
 って、痛い痛い痛い。私の腕をふみふみしないで。爪出てる出てる。そりゃあ、脂肪でふにふにですけどね!?
 ついでのように齧られて、同衾を諦める。
 きちんとエアコンの温度を上げて部屋を暖めればほら。『暑い』とばかりに布団を出ていって、もう寄り付きもしない。お気に入りの毛布の上で丸くなっているのだろう。
 気まぐれな君。それでも尽くさずにいられないのは、私の遺伝子に『猫に仕えよ』と刻まれているのかも。


12/5/2024, 10:30:47 PM