〈お題:星空〉ー評価:駄作
星を数うる如き所業と思ってみても歳を重ねて見れば容易い事もある。
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「夜は好きです。アナタは夜が怖いようですね。少し、昔話をしよう。聞いてくれるね?」
俺は宝石類の付いたネックレスや、イヤリング、指輪、ブレスレット等を紹介している番組が好きだった。
うちは貧乏で、そんな高価な贅沢品を買う余裕がない事は、小学校に入学する前に痛いほどわかっていた。
そんな俺だから、物を大切にすると云う、もったいない精神が他のクラスメイトよりも強い。ボールや、手作りのお人形という高価な遊び道具は使わずに、公園に落ちている短い木の棒を駒にして擬似的なままごとに勤しんでいたくらいである。
筆圧も極力抑えられ、消しゴムも惜しんで使わず済むように出来るだけ綺麗に正確に書くことに拘った。
漢字練習は指でなぞって練習して、試しに書いてみるという方法を取っていた。
そんな俺が学校の生活に慣れてきた頃、七夕祭りの季節がやってきた。
どうやら、短冊に願い事を記載して、ササに吊すという儀式である。
俺は薄い文字で「無限に散らばった宝石を眺めたい」と書いて短冊を吊るした。
そうそう、星空を宝石と揶揄できる感性が身に付いたのは、つい最近。夢を叶えたくば、惜しまぬことです。でないと中々叶いませんね。
「私の夢が、20年越しに叶った。というそんなたわいないお話です。」
7/5/2024, 12:47:32 PM