女のくせに借金ありやがるなどおかしいと。まるで男なら許されるような口の聞き方してくんなっての。
借金は1円たりともおれのモンじゃないんだ。
出涸らしの弟となすりつけやがった友人のモンでさ。
まあおれもバカだったのは認めるけど、嫁入り前に分かって全部おじゃんってわけ。ぐえー。
女なら身体使って稼げよなどとお達し申し受けるが、おれはそんときちょーど栄養失調で歯が抜けてたから見映えが尚悪くてさ。お宅らのチン坊に引っ掛かんないすよ、なんて売り文句じゃ誰も買ってくれないわけ。
そんで飯炊やらウエイトレスやら警備員やらやって。やっと全部返しきったと思ったら、まーた夜逃げくらったりな笑
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房子ばあさんとこに流れ着いたのは、ブオンナでも働ける店があると噂で聞いてさ、そいだらものすごい白髪のくせ毛の騒がしいババァがカウンターなかにいて。
おれギョッとしたもんね。鬼婆だ。ってほんとに思ったモン。
鬼婆はナニも言わずにおれを席に招くと干からびたきゅうりとたくあんを出してきて、それっきりずうっと雑誌を読み耽ってた。
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アセチレンランプがすきまっかぜで揺られて視界がぼやけきってやがる。いいねー。
ゼロからのスタート、はじめてみてもいいかもしんねえな。
0から
2/22/2024, 1:52:59 AM