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「お気に入り」

一度、私と「お気に入り」という言葉との距離感を改めて考えてみましょうか。
なぜだか、日常で「私のお気に入り」と発言するのは非常にためらわれます。

「お」がついていて自分が偉くなったような感じがするし、気に入っているものをどや!とさらけ出してしまうのもちょっと恥ずかしい、とかそんな理由だと思うのですが。

「これ、あの人のお気に入りなんだよ」とかも、なーーーーーーーんだか、ちょっとちょっとなんか含みがある感じがして、もはや「お気に入り」という言葉に接触するのは、楽天市場のアプリくらいな気がします。

いまはそういうweb上の「お気に入り」も多様になってきて、「欲しいもの」「スキ」「いいね」「保存」「pick」とか、もう少しライトな表現が増えたように感じますね。

でもだからこそ、「お気に入り」という言葉がレトロな魅力とか雰囲気を帯びてきているようにも思います。
ちょっとハマってるものに使う言葉、からは外れてきているというか。

それを踏まえて、どういうものと「お気に入り」が親和性が高いか、完全に主観で考えてみたのですが、子供の頃からそばにいるくまちゃんとか、お母さんの編んでくれたマフラーとか、こう、あるじゃないですか。
見るだけで胸を鷲掴みにされるようなもの。
言い換えれば「大切なもの」になるかもしれません。

ああそういうものなら、私も自信を持って「お気に入り」って呼べそうかもな、と。
となると、今度は思い出だらけの宝物たちから「お気に入り」を選ぶのが難しくなってしまいますね。

「お気に入り」ってなかなか難儀な言葉です。

2/18/2023, 3:07:18 AM