またね!:
なあ、それは再会の約束ではなかったのか?
街灯の少ない郊外の道端、すっかり暗くなって辺りが黒々としているそんな夜、君と交わした言葉が頭の中を回る。
確かに、たしかにそう言ったのだ。否、自分にとって都合の良いように書き換えた記憶なのだろうか。今となってはどちらも自信が持てない。
夢見月の三月、君は桜も咲かぬうちに、それこそ夢のごとく立ち消えてしまった。
届いた封筒の丁寧な文字のうえを目が滑っていく。春眠暁を覚えずとはよく言ったものだが、そんなに眠りたかったのかい。
それから今年で何度目の春だろうか。
私はまだ、眠れないでいる。
3/31/2025, 2:05:39 PM