荒廃したその国は、一人の少女に全てを託した。少女は国を蹂躙した怪物を駆除する為だけに作られた存在だ。小さい頃から自分の使命を教え込まれてきた。
「今日が作戦決行日だ。…、何か、言いたいことはあるか?」
少女はうつむいたまま何も言わない。
「まぁ、無理もない。必要な言葉以外教えてこなかったからな。」
指定の位置に拘束され、その怪物が現れるのを待った。唸り声が響く。獣特有の匂いや、生臭さが辺りに広がった。
「このような栄誉ある仕事をさせてもらえて誇らしいです。光栄です! 本当に嬉しいです!! 我が国に栄光あれ!!」
少女の顔は酷く歪んでいた。
8/16/2024, 10:40:46 AM