どこかのただの大学生

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子供の頃の夢


子供の頃の夢など、あまり覚えていない。
ただ、ころころ変わっていたことは覚えている。

幼稚園の卒業アルバムには「がか」と書かれていた。
他の同級生たちが「おはなやさん」「しょうぼうし」などと答えている中、ただ1人、年齢的にはその単語を知らなくてもおかしくないような、「がか」という二文字。
しかし、その夢は比較的早く夢ではなくなった。

小学6年生の時の発表では、「先生」になりたいと言っていた。
当時の担任が大好きで、そんな先生になりたいと思った。
しかし、中学に上がった頃には教員という職業のブラックさに気が付き、目指すのをやめた。

中学生の時は、「厩務員」になりたかった。
馬に乗るのが好きで、進学先を専門学校にしようとまでした。
しかし、周りの猛反対に遭い、自分自身でも体が持たないと思って、趣味程度におさめようと考え直した。

高校の時、私には夢がなかった。
…というよりは夢が存在し得なかった。
自らの将来を自らの手で閉じようとしていた。

そんな私は大学生になった今、「舞台俳優」を目指している。
法的にはとっくに大人なのだが、大学生なんて世間的にはまだまだペーペーなので、子供と言ってもいいだろう。
ただ、叶わないだろうな、とは自分の中で薄々思っている。
だから、「舞台俳優」を本職にするつもりはさらさらない。
現実的に将来を見つめたとき、私の夢は「演劇の先生」だ。
結局小学生の頃の夢に戻るのである。

大学を卒業する頃にはまた何か別の夢に変わっているかもしれない。
だがそれで構わない。
その時はその時で、その夢に向かって進むだけである。

6/23/2025, 11:17:24 AM