穏やかな冬の日差しの中、花が咲いている。シクラメンが咲いている。サザンカも。
エリカの白い花が咲いている。公園の花壇を埋め尽くすように。
霜月の太陽の下で、冷たい風に吹かれながらも、花を咲かせている。
葉が枯れて落ち葉となり、枯れ木が多い公園の中で、花が植えられ、育てられた花たちが色彩を放っている。太陽に祝福されているかのように。
スマホの画面を見ているだけの人々に気づかれにくいとしても、自然の美がそこにある。確かに色づいている。
風が吹き落ち葉が花壇に入ってきても、花の美しさは変わることが無い。
見つけた者だけが感じることができる。
育てていた者にとっては開花が報いとなる。
太陽の光を浴びて、冷たい風に吹かれながらも、シクラメンは、サザンカは、エリカは、公園の花壇に咲いている花たちは、今日も変わることなく咲き誇るだろう。
いつかは萎れ、花びらを散らし、枯れゆくとしても、霜月のこの瞬間にだけは咲いている。
見る者に一時の癒やしを与えながらーー。
ーー種は蒔かれ、芽を出し、花を咲かせる。それは自然が創り出す一つの美。それは決して損なわれること無く、いつまでも続いていくーー。
11/25/2024, 11:48:32 AM