シンビジウム

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【センチメンタル・ジャーニー】

行き先のわからない電車に乗って、バスに乗って。

辿り着いた駅のホームでため息をついた。

なんでこんなことをしているのだろう。

しかし、それが感嘆のため息になるのはそう遅いことではなかった。

果てしなく見える海。

季節外れなことは理解していながら砂浜に座った。

寄せては返す波が綺麗で、目を離せなくなった。

「綺麗だ……」

彼女のように。

誰にも言えないその言葉を飲み込んで、夕日に目を細めた。

9/16/2025, 9:10:12 AM