「世界に色がついた瞬間ってある?」
「ええ?あー、まあ…そんな大層なのはないけど、いつも通りの景色がぱっと明るくなったような気がした瞬間ならある」
「へえ!ちなみにいつなのかお聞きしても?」
うきうきと身を乗り出せば、彼はするりとポケットからスマホを取り出した。写真なのだろうかと待っていると、存外すぐに画面が差し出されて覗き込む。
すると、そこにはよろしく!とキャラクターが頭を下げる見覚えがあるスタンプがあった。というか、見覚えがあるもなにも私と彼のトーク画面である。はて、と首を傾げれば見ていた彼がおかしそうに笑った。
「お前が初めてLINEくれた時」
"無色の世界"
4/18/2024, 12:47:40 PM