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晩秋。散歩道。白樺。落葉。
白樺の柔らかな赤はだんだんと剥がれ、黒白の肌を晒し始めました。細い枝には紅潮の面影はなく、黒い斑点が目立つ。そうなると途端に魅力を感じなくなって、

大雪。
窓辺で、ふとあの細身にはさぞこれは重いだろうなと思うと急に気になりはじめて、早足でした。しばらく見ないうちに白樺はすっかり大きくなっていました。薄い白妙を羽織り、白樺は見事な雪化粧をしています。ああ、そうか、待っていたのだねと白樺の肌に触れる。もたれると、冬芽は冬の日差しを受け今にも咲きそうでありました。

12/15/2024, 2:14:19 PM