祖母の葬式が終わった。
祖母を取り囲んでいた供花は、
花束になって私の家へと帰ってきた。
まだうまく働かない頭では、
目の前の花を見つめることしか出来ない。
長らく使っていなかった花瓶を引っ張りだし、
適当に水を入れて花を挿した。
祖母が好きな花ばかりだ。とても可憐で美しい。
私の少しの動きで花の香りも揺れる。
当分悲しみからは立ち直れないだろう。
それでも、今はひとりぼっちじゃない。
またふわりと、甘い香りが私の鼻先をくすぐった。
目を閉じればすぐそこに、祖母がいるように感じた。
/花の香りと共に
3/16/2025, 11:25:27 AM