後ろに座っている濮の大事な親友は 、いつも
本を読んでいる 。
それは誰かに話しかける訳もなく
ただただその本に夢中になっていた 。
そんな親友を見るのが濮は好きだった 。
なんだか儚く感じたからなのか 、
濮の目にそれが美しく見えたのかはわからかった 。
ある日 、彼女は珍しく誰かと話していた 。
それは本当の親友ならば喜ばしい出来事なのだろう 。
しかし 、濮はただ 。
” 羨ましい ” と思ってしまった 。
彼女は 天使樣 だ 。
誰の色にも染まらず 、ただそこにひっそりと
居る 。
濮だけの天使樣 。
なのに彼女は濮以外に笑いかけていた 。
濮の中で何か変な感情が渦巻く 。
彼女とは親友でそれ以上でもそれ以下でもない 。
ただの 、親友 。
ただの親友なんだ 。
それは彼女もそう思っているだろう。
でも 、濮は …
彼女のコトを親友としてではなく 、
ただ一人の女性として
見ているのかもしれない 。
それは一体どういう感情で 、どういう気持ち
なのか ,,
きっと 、それを知ってしまえば
濮は彼女の隣にいる資格なんかない 。
だから 、濮はこの気持ちに蓋をした 。
ただ平静を装って話しかける 。
彼女の隣に何時までも居れるように ___
濮の中で彼女は永遠の天使樣で居られるように 。
_________ 濮は女の子だから 。
きっと彼女には見て貰えないだろう 。
でも 、濮はそれでもいい 。
恋愛対象ではなく1人の親友として
濮のことを何時までも隣に置いてくれるのであれば
濮はそれで良ゐんだよ 。
濮は女の子だけど 、女の子が好きなんだ 。
___それは 、恋愛対象として 一人の女性として ___
でも 、これはきっと可笑しいから 。
濮は濮であり続けようと
誰にも知られぬまいと
この気持ちに 、自分に
蓋をして 。
今日も今日とて生きています 。
_______ 女の子が一人の女性として好きだと知った日は忘れられない 。
5/9/2023, 11:28:11 AM