ひとりで暮らしている時、わたしは絵を描き、文章をしたためて、バイトに行って帰って、玄米中心の食事をして風呂入って洗濯して、と、まあそんな生活だった。週に二回ほど散歩に行き、たっぷり五時間くらい歩いた。
寂しいと感じることは余りなかった。
でも、手を酷使し過ぎたのか、頸肩腕症候群を患った。ある時急に腕に電気が走り、痛くてペンを取り落とした。整形外科を渡り歩いた。病名がつくまでに何年もかかった。
今でも腕は不自由だ。指先はうっすらと麻痺しているし、グーパーはできない。握力もない。
絵が描けない。字が思うように書けない。箸が、歯ブラシが、うまく使えない。
まるで翼をもがれた鳥のようだ。病を患って、わたしはやっと寂しさを覚えた。
【寂しくて】
11/10/2025, 11:18:27 AM